初めに
製作するに至った経過などをブログ的に書いていこうと思います。
過去の製作中の日記はこちら
製作当時の日記は、みんカラのサイトをご覧下さい。
みんカラ ブログ
製作のきっかけ
最初にキャンピングカーが欲しいなと思ったのは、2011年の東北を中心に大きな被害が発生した東日本大震災の時でした。
当時の3月中はまだ情報が錯綜していましたが4月にもなると様々な情報が入ってくるようになりました。
続きを読む>>自分の会社はDPショップや写真館向けの業務用ソフトウェアの開発販売をしています。
当社製品を卸している問屋さん経由でも情報が入ってきて、写真館関連の被害なども伝わってきました。
製品を導入されていた宮城県気仙沼市の写真館様もかなりの被害を受けたということで、4店舗のうち唯一残されたスタジオで営業を再開されるという話しも聞きました。
当社製品がインストールされていたパソコンも津波で流出してしまったとの事で、新しくパソコンにインストールしたいとのことでした。
しかし製品のインストールCDや説明書なども流されてしまっているので、普段は中部・関東地方の近隣県以外では行っていないのですが無料出張サービスを行う事にしました。
高速道路もまだあちらこちら寸断されており途中で迂回させられたり、地震被害の段差が酷かったりと大変でしたが気仙沼市までの道路は通行できるようになっていました。
参考資料
当時のレポートこの時に乗っていったのは普段の営業用のターボ付きのアルトワークスというスズキの軽自動車で仮眠するのも大変な狭い車でした。
治安の関係もあって内陸部の一関市まで戻りビジネスホテルを探して宿泊しましたが、全国から応援に来ている警察・消防・自衛隊・自治体・報道関係者で宿の確保は非常に困難な状況でした。
連泊も不可能でネットで探しながら、毎日一関市から古河市までの宿を転々としなければならず非常に不便な思いをしました。
写真館へのサービス以外にも一関市の避難所で証明写真の撮影サービスなどもしてきましたが、大きなホテルでも避難者以外は警察や消防などの関係者で一杯でした。運よく観光ホテルの従業員寮の空き室に安く宿泊させていただいたこともありました。
内陸部の道の駅はガラガラでしたが軽自動車ではゆっくり仮眠もできずこの出張は宿泊費で高くつきました。
今回の熊本地震でも問題になっていますが狭い車内で寝起きしているとエコノミークラス症候群になり最悪死亡することもあるようです。
この後も避難所へのパソコンやプリンターの設置などの支援活動で数回東北地方に行きましたが、毎回一関市の山の上の温泉のあるキャンプ場でキャンプして経費を節約していました。
この時にキャンピングカーでもあればなぁと思ったのが製作のきっかけかもしれません。
2012年に知人の親戚の農家の方が使っていた軽トラックを車検のタイミングで新車へ乗り換えるとのことで無料で譲っていただきました。
初めてユーザー車検をやって軽トラックオーナーになり荷台が雨ざらしで枯葉などのゴミが溜まり易いなことや荷物が転がり易いこと買い物をした後には防犯上、他のお店を廻れないなどの使いにくさにも気付きました。
さらに座席を倒して寝れないので長距離の移動時に仮眠が取り難いのも欠点でした。ただし燃費が意外に良く、1Lのガソリンで16km近く走ります。
そこで思いついたのがキャンピングユニットを搭載して簡易キャンピングカーにする事でした。
お台場で行われているキャンピングカーショーも何度も見に行きましたが、国産車のトラックやバスの改造タイプや輸入車なども多く数百万円の高級仕様ばかりでお金持ちの道楽の世界でした。(笑)
一番安いもので山梨県の会社さんの製造されている荷台に搭載するタイプのアルミ板外装の内装の無い基本仕様のものですが、それでも90万円近くします。
それなら自作してみようという事でこのプロジェクトは始まりました。
【ついでに】災害時に被災地に行く場合に気をつけなければいけない事
・宿の手配・食料・飲料水・お金・テント・着替え・車ならガソリン・スコップや工具など
全て事前に用意しておきます。
・インスタントラーメンやお米など食料・飯盒・カセットコンロやナベ・やかんなどの調理器具なども
登山でのキャンプと同様に日程分+αは準備しておいた方が無難です。
・通信インフラも場所によっては携帯の3G以外無い事も多いのでテザリング可能な
スマートフォンやモバイルルーターを準備しておく事。
山奥や沿岸部ではドコモ以外は電波が入らないことが多いのでauやソフトバンクを
お使いの場合は注意が必要です。
・底に鉄板の入った安全靴が必要です。
倒壊した家屋の古釘を踏み抜いて、足のケガから破傷風になる恐れがあります。
・ボランティアの場合は事前に地元の社会福祉協議会で登録とボランティア保険への加入をしておく事。
※入っていないと被災地のボランティアセンターで受け付けてもらえませんので注意。
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コンセプト
一号機の製作では以下を重点にして設計しました。
・木造でも簡単に壊れないこと。->(結果)電柱にバックでぶつけても傷ヘコミなし!
・車から降ろして倉庫としても使える強度を持たせること。(横転しても壊れない)
・処分が楽なこと。(分解して燃やすとか廃材利用するなど)
・容積を最大まで増やすこと。
・製造コストが安いこと。(目標は基本部分5万円)
・布団またはシングルサイズのマットレスを敷いて、足を伸ばした状態でゆったりと寝れる事。(奥行き2m以上)
・中で立って歩ける事。(目標は165cm程度)
・営業など出張時などにパソコンで作業をする事務室として使えること。
(PC用デスク・椅子が使える、PC及びスマートフォンやモデム等の充電が出来る)
材料について
骨組みはツーバイフォー材と呼ばれる2インチ×4インチの角材です。
38×89mmで長さは1820mm、3048mm、3650mmが取り扱われています。
続きを読む>>本格的なツーバイフォー住宅で使われるのはカナダ産のレッドシダー(米杉)ですがホームセンターで売っているのは安い国産の赤松材などが多いようです。
外装はパネコードと呼ばれるコンクリート型枠用の12mm厚のベニア合板を使いました。(900x1800x12mm)
軽量化をするなら5~9mm厚の合板にして塗装をするか、薄めの合板の上にアルミ複合板を重ねるのが良いかと思います。
アルミ複合板(900x1800x3mm)はホームセンターでは一枚5000円ほどしますが通販で10枚単位で購入すると1枚単価2000円程度になります。
床材は12mmの屋内用ベニア合板(環境ホルモン規制などの対応品:910x1820x12mm)とフローリング調ボードを使いました。
2×4材は普通のホームセンターでは曲がりが酷いものが多いので、建築資材を取り扱っている業務用ホームセンターでの購入をお勧めします。
平らな床に置いて浮きがないか確認したり材の端から反対側の端を銃眼を覗く様にしてみて曲がりが無いか確認します。
ネジはナゲシネジと呼ばれる木ネジを使います。2×4材同士には75mmの長さのを、合板を留めるには45mmのを使います。
長さが足りないところは、不足分の長さのネジ頭より一回り大きい穴をドリルで開けて調整します。
断熱は天井のみ40mm厚のスタイロフォームを使用しています。
歪み対策の補強材はL字アングル(90度の角度)を2×4材同士の枠の角の両側に取り付けてあります。
内部の机や戸棚などは軽い桐合板と30mm×40mmの野縁材を使用しています。
重量について概算ですが2X4材が1m当たり1.7kgで計算して合計63.72mになるので約108kg、パネル(ベニヤ板)が合計13.65枚分で163.8kgとなります。
トータル270kgになりますので、ベニヤ板を5~7mm程度に薄くするなど軽量化をお勧めします。
断熱材はホームセンターで売っている4cm厚のスタイロフォームを天井に嵌め込んでいます。
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部材の購入費
材料の購入費の記録です。
続きを読む>>木材はコンパネが14枚、ベニア板が3枚、フローリング調床材が4枚で残りは2×4材です。
木材は合計5万2千円程でしたが、塗料と金具・建具で同じくらい掛かってしまっています。
後の祭りですが塗料代で通販なら一枚2千円のアルミ複合板を7枚程買えてしまいますね。
※太陽電池及びコントローラーは実験用に過去に買ってあったものなので金額に入っていません。(購入時2.5万円程度)
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作業の工程・日数など
ざっとですが写真やブログなどに残っている作業記録は以下の通りです。
一応作業開始から完成まで23日経っていますが、実際に作業を行ったのは15日ぐらいなので2週間もあれば出来てしまいます。
(仕事の昼の休憩時間や涼しい夕方以降のみ作業の日が多かったはず)
続きを読む>>2013/7/14 材料購入
2013/7/15 部材加工・床及びフレーム組み
2013/7/17 天井と側面の塗装・パネル取り付け
2013/7/18 前部キャビン上のフレーム組み立て
2013/7/19 前部キャビン上のパネル取り付け
2013/7/20 前部塗装
2013/7/21 後部パネル切り出し・組み立て
2013/7/22 リアパネル取り付け
(7/23~7/27 出張でお休み)
2013/7/28 ドア扉製作
2013/7/31 ドア扉へのアルミ板貼り付け・ドア取り付け
2013/8/03 小窓穴あけ・アクリル板取り付け
2013/8/07 12cm換気扇取り付け
2013/8/08 太陽電池パネル及びコントローラー・バッテリー設置
2014/5/02 後部窓の穴開け(ジグソー使用)・ポリカーボネート版取り付け
2014/5/03 サイドボード兼収納棚の作成・上段組み立て式ベッド作成
2014/8/30 シンク取り付け・給水ポンプと排水タンクの設置
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工具について
準備した工具は以下の通りです。
ドライバーはできればコードレスのインパクトドライバーもあると便利です。
先穴をドリルで空け、インパクトドライバーでナゲシを留めると効率的です。
(ドライバーが1つだったのでドリルとビットの交換が面倒でした)
続きを読む>>日立製 丸のこ(割と大型で、どうみても昭和時代の古いもの)
Black&Decker ジグソー #7504-03 (これも多分昭和製)
Black&Decker 14.4Vコードレスドリルドライバー EPC14 (バッテリー2個付き 2011年製)
延長ケーブル 10m
手鋸(片刃)
メジャー(5m ストッパー付き)
はしご(木製のもの)
アルミ製 はしご
アサヒペン バケット型万能用ローラーバケ
アサヒペン 万能用ローラーバケ(38mm径)
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燃費について
重いユニットを積んで気になるのが燃費です。街中で買い物に使っていると12.7km/L~14.19km/Lぐらいでした。(ただし気付くまで軽積載の空気圧で走行していました)
最高記録は夜間の国道バイパスをほぼノンストップに近い感じで走った時の17km/Lちょっとです。
以下は長距離を移動した場合の燃費に絞って調べてみた結果です。
ガソリンスタンドのレシートに走行距離を書き留めた記録から計算しました。
続きを読む>>車はダイハツ ハイゼットトラックS210P 4WD MT パワステ・エアコン装備です。
・空荷の場合
松本~横浜~東京(高速道路使用) 409km 26.41L 15.49km/L
・積載時(※タイヤの空気圧は定積載(350kg満載)に設定)
安曇野市~能生・他 254km 15.01L 16.89km/L
松本市~木曽郡大桑村 461km 28.87L 15.97km/L
松本市~草津 434km 30.42L 14.27km/L (標高2172mの渋峠越え)
松本市~新潟市(片道) 306km 17.7L 17.28km/L (夜間に国道を走行)
松本市~横浜市~甲府 391km 27L 14.48km/L(介護ベッド輸送 国道を走行 標高1012mの塩尻峠越え)
松本市~東北地方一周 2280km 151.54 L 15.01km/L
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水平出し
実際に道の駅の駐車場などに止めて床で寝てみると判りますが、駐車場は排水の為に微妙な傾斜がついています。
寝ている時に頭が低い側だと、頭に血が貯まってきて寝苦しくなります。
高級なキャンピングカーではエアサスが装備されていて調整が出来るようになっていますが、軽トラックには当然付いていません。
続きを読む>>お勧めはアストロプロダクツで購入した「AP プラスチックラダーレール 」です。楽天ショップなどでも購入可能です。
横から見ると楔形の最大で60mmの高さまでリフトできる製品です。
アストロプロダクツ 楽天市場店ゆるい傾斜付きのラダーレールなので、水平器(レベル)を室内において確認しながら車を少しづつレールに載せていきながら水平になるように調整します。(または一度一番奥まで車を載せてからブレーキを使って少しづつ降ろしてきます)
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